臓器移植「意思表示が大切」 米子北高 家族の提供想定し議論

 10月に鳥取県で開かれる「第25回臓器移植推進国民大会」のプレイベントとして、県は米子北高(米子市米原6丁目)で臓器移植について考えるワークショップを開いた。同校看護科1、3年生と看護専攻科2年生の生徒計67人が、臓器提供の可否を意思表示することの重要性を学んだ。

 県臓器移植コーディネーターの川本奈津子さん(55)が、心臓死と脳死で提供できる器官が異なることや、臓器提供の流れを説明。臓器移植に関しては、臓器提供を『する』『しない』、移植を『受ける』『受けない』の四つの権利があり、「意思表示があれば、どれを選んでも本人の意思が尊重される」と伝えた。

 生徒たちは、交通事故で家族が脳死となった状況を想定したワークショップにも取り組んだ。本人の意思表示がない中で臓器提供の可否を決めるケースを考えた際には、「人助けだと思い提供する」「(相手が)知り合いなら提供する」「(脳死になった家族が)自分の子どもだとしたら提供をためらう」などさまざまな意見が出た。

 看護専攻科2年の桑本康生さん(20)は「万が一の時に家族の気持ちを楽にするためにも、意思表示しておくことは大切だと思った」と実感。川本さんは「自分や家族の意思を尊重するためにも臓器提供に関してどう考えるのか、家族と一緒に話し合ってみてほしい」と呼びかけた。(武居紀子)

 ◇第25回臓器移植推進国民大会は10月20日、米子市文化ホールで。高校生による書道パフォーマンスや臓器移植を受けた当事者による座談会、ワークショップなどを実施する。

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