22日の全国高校生手話パフォーマンス甲子園には、元日の能登半島地震で被害を受けた石川県から県立ろう学校(金沢市)、田鶴浜高(七尾市)の合同チームが出場した。全国から届いた応援や支援へ感謝を示すため、出場を決意。復興に向かい歩む古里の「明るい未来」を舞台で表現した。
演技は聴覚障害のある女の子が親戚の家を訪ねる場面から始まる。大きな揺れに耐えると、押し寄せる津波に逃げ惑う。正確な情報もなく、孤独を感じ、生活に不安を抱くが、励ましの声に勇気づけられ、日常を取り戻していく。
「みんなの『思い』はつながっているというメッセージを込めた」。出演した県立ろう学校の池田珠杏さん(16)=2年=は胸を張る。舞台では実際に学校に寄せられた応援メッセージを掲げ、元気を取り戻す姿を精いっぱい演じた。
大会に出場経験のある奈良県立ろう学校(大和郡山市)は、地震後、両校に義援金や支援物資を届け、絆を深めてきた。同校3年の松本彩香さん(17)と、田鶴浜高の中根子来路さん(17)=3年=は米子の地で再会を果たし、「これからも友達です」と笑顔で喜び合った。
同校の伊藤璃央菜さん(17)=2年=は「たくさんの支援に感謝を表せた。これからも能登の魅力を発信していきたい」と復興へ向かう郷里への思いを語った。