倉吉市内で古い着物を活用したアート「押絵」の制作に取り組む二恵(にえ)さん(72)の個展が、同市昭和町1丁目の山陰合同銀行倉吉支店で開かれている。色鮮やかで立体的なタペストリーが、来店者の目を引いている。11月1日まで(土、日曜、祝日は休業)。
押絵は、古い着物の布地に綿を詰め、下絵に合わせて貼り付けた立体的な工芸品。「日本のパッチワーク」とも称され、平安時代から続く技法とされる。
会場には、羽子板や桜など日本の四季を感じさせる作品や、7月にパリで開かれた日本文化の総合博覧会「ジャパンエキスポ」に出展した際に着想を得た「線画でPARIS」など、大小さまざまな27点が並ぶ。
展示は2部制で、21日からは「昭和レトロ」をテーマにした作品を展示する。
二恵さんは「大正から戦前にかけての素材を多く使った作品ばかり。化学繊維では出せない風合いを味わってほしい」と話した。