日本に古くから伝わる紫草(むらさき)染め作品の展示販売会「石川紫草染の世界展」(丸由百貨店主催)が、鳥取市今町2丁目の同店アートギャラリーで開かれている。紫草染作家の石川貴啓さんが、天然の染料を使用し、手仕事で染めた布や糸で作ったストールや羽織り物など約50点が並ぶ。22日まで。
石川さんの文化庁紫根染講師就任を記念して、同店で5年ぶりの開催。石川さんは絶滅危惧種の紫草栽培と、源氏物語にも登場する紫草色の復元に50年かけて成功し、「日本古代紫草染工房」の主宰として、群馬県の自然豊かな土地で制作を続ける。染料から布の素材まで全て天然にこだわり、繰り返し同じ色を作ることが難しく、一点一点が唯一無二の代物だ。
石川さんは「天然の紫草から生まれ出るものを、五感を超えたところで感じてもらえたら、紫草を愛する一人としてうれしい」と話した。
問い合わせは電話0857(25)2111、同店。