独立美術協会会友で洋画家の野津清太郎さん(74)=鳥取市大杙=の個展が6日、同市今町2丁目のアートギャラリー・クレマティスで始まった。身近な人物や景勝地、自宅の庭に咲いた花などを描いた40点の油彩画が来場者を魅了している。15日まで。
同ギャラリーでは5回目となる油絵展。中でも目を引くのは、多彩な表情や雰囲気を見せる女性像だ。
近所に住む3姉妹がモデルの「アンダンテ」「秋の香り」「春のひと時」「扇ノ山のふもと」は、それぞれの表情を丁寧に描き分ける。顔料を卵で練った絵の具「テンペラ」の上に油彩を重ねることで、美しい発色と透明感を引き出した。
過去に訪れたチベットの老婆を描いた「旅の先」は、髪の毛や肌のしわなど細部まで丹念に表現。現地で生きる人の力強さを感じさせる作品に仕上げた。
野津さんは「どちらかといえば古典的な描き方をしている。その点にも注目して見ていただけたら」と呼びかけている。