米子市美術館で開催中の「MINIATURE LIFE(ミニチュアライフ)展2~田中達也 見立ての世界」(米子市、新日本海新聞社など主催、山陰酸素グループ特別協賛)で、展示の目玉の一つとなっている「おすシティー」には、作家の遊び心が詰まっている。回転ずしを都市に見立てたジオラマで、目をこらすと米子会場ならではのこだわりや、田中さんの分身を見つけられる。
「おすシティー」は、すしが乗った皿が運ばれるレーンを高速道路に見立て、その上をにぎりずしや軍艦巻きの自動車が走る作品。積み重なった皿は高層ビルで、皿の上に乗せられた割り箸は資材を運ぶクレーンをイメージして、建設中のビルを表現している。
高速道路には「米子」と書かれた案内標識が設けられ、高架下には今展のポスターを設置し、開催地へのこだわりを盛り込む。ポスターを見つめる群衆の中には、黒い服を着た田中さんの人形が置かれている。
田中さんは、家族で回転ずしを食べに行った際にアイデアが浮かんだといい「子どもが競い合って皿を積んでいる感じが、駅前のビル開発に似てると思い、発想が膨らんだ」と話した。
会期は3月24日まで(会期中無休)。