英国の劇作家ノエル・カワード作の舞台「陽気な幽霊」が5月3日から東京、大阪、福岡で上演される。主人公の作家チャールズ(田中圭)を取り巻く3人の女性を演じる若村麻由美、門脇麦、高畑淳子が稽古場で取材に応じ、抱負を語った。
物語の舞台は1941年の英国。小説の参考にするため「降霊会」を開くことにしたチャールズは、妻ルース(門脇)と暮らす自宅に霊媒師マダム・アーカティ(高畑)を招く。儀式の後、死んだ前妻エルヴィラ(若村)の幽霊がチャールズの前に現れるが、他の人間には見えず…。
2人の妻に挟まれて右往左往する姿から見えてくる「チャールズの二面性が面白い」と若村。「私自身も、一緒にいる相手によって違う自分が引き出されることがある。そういう人間の複雑さを、お芝居からも見つけられると思う」
自分には見えない前妻の存在に神経をすり減らすのがルースだ。門脇は「今までの生活でも前妻の影がちらついて『嫌だな』って思うことがあったはず。何げない会話の奥に、積み重なったものが感じられるように演じたい」と話す。
霊媒師を演じる高畑は、科学の時代に「目に見えないものや精神世界を大事に生きている人」と役への愛着を語...