【東京ウオッチ】北欧デザインの巨匠、生命の息吹を表情豊かに造形―東京ステーションギャラリーでタピオ・ヴィルカラ展

いまのTokyoをつかむイベント情報(3日~11日)

  •  タピオ・ヴィルカラ「ウルティマ・ツーレ」(ドリンキング・グラスのセット)(1968年 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation Collection/EMMA―Espoo Museum of Modern Art.(C)Ari Karttunen/EMMA (C)KUVASTO,Helsinki&JASPAR,Tokyo,2024 C4780)(提供写真)
  •  タピオ・ヴィルカラがベネチアで制作した「ボッレ」(1967年 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation Collection/EMMA―Espoo Museum of Modern Art.(C)Ari Karttunen/EMMA (C)KUVASTO,Helsinki&JASPAR,Tokyo,2024 C4780)(提供写真)
  •  タピオ・ヴィルカラの木製オブジェ「シェル(巻貝)」(1956年 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation Collection/EMMA―Espoo Museum of Modern Art.(C)Ari Karttunen/EMMA (C)KUVASTO,Helsinki&JASPAR,Tokyo,2024 C4780)(提供写真) 
  •  ボタニカルをテーマにしたアフタヌーンティーで提供されるスイーツとセイボリー(提供写真)
  •  門田光雅「camphor」(2024年/Acrylic and Carborundum on cotton)(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【5月3日(土)】

 ▽「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」(~6月15日、千代田区・東京ステーションギャラリー)

 フィンランドのモダンデザインに大きな功績を残した芸術家タピオ・ヴィルカラの日本初となる回顧展が、丸の内で開催されている。

 日本ではガラス工芸家として知られるが、「本国では、木材や金属などの素材も使いこなした幅広い創作活動が高く評価されている。作品の多様性と、そこに垣間見える深い思想に触れてもらいたい」と学芸員の柚花文さんは話す。

 1946年からプロダクト・デザイナーとしてイッタラ社と協業し、数々のガラス商品を発表した。ラテン語で最北の地を意味する「ウルティマ・ツーレ」のシリーズは、創作拠点の一つだった北極圏ラップランドから発想を得た代表作。溶けていく氷のしずくのような凹凸をガラスの表面に表現したグラスや器だ。「雄大な自然に影響を受け、幾何学的な思考も取り入れている。伝統的な職人技とモダンデザインの融合は、彼の創作全体に反映されていった」

 自ら手を動かす姿勢を大切にした。ベネチアのガラス工房で生み出されたさまざまなガラス作品には、イタリアならではの色彩...

残り 1737 文字
このページは会員限定コンテンツです。
会員登録すると続きをご覧いただけます。
無料会員に登録する
会員プランを見る
会員登録済みの方
この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事