鳥取大は26日、現在の地域学部地域学科「人間形成コース」を「教育科学コース」に名称変更すると発表した。鳥取県からの「教員養成機能を充実させてほしい」という要望に応えた。名称変更により、教員志望の受験生へのアピールを強化する。2027年度入学生の入試から反映する。
鳥大では小学校など各種教員免許が取得できるが、学部や学科の名称に「教育」が付いておらず、教員志望の受験生が認知しにくい状態だった。4月末の県との協議で、平井伸治知事から学部学科名に「教育」を入れることを要望されていた。
名称変更後の同コースでは学校教育をはじめ、教育諸科学を広く探究する。ふるさと教育やインクルーシブ教育なども取り入れ、鳥大ならではの「教育」を目指す。新コース名は27年度入学生の入試から反映される。募集人数は現在と同じ55人で、変更の予定はない。
原田省学長が同日、県庁を訪れて平井知事に新コース名を報告した。平井知事は「大きく潮目が変わった」と期待し「名称変更を高校生たちに分かりやすく周知し、地元で大学進学し教員になりやすい仕組みをつくりたい」と協力を誓った。
原田学長は「県と協力し、付属学校も強化したい。鳥取で教員になりたい学生に集まってもらえたら」と力を込めた。
鳥大は今年4月、地元での教員採用を条件に奨学金の免除などを受けられる入試枠「地域教員希望枠」を設ける文科省の補助事業に申請しており、6月に採択結果が公表される。県は採択結果を受け、今後の展開を検討するという。