心筋梗塞、狭心症など命に直結する疾患を診る循環器内科。その専門医が集まる日本循環器学会が5月12日、「国民の皆様へ」というお知らせを公表した。タイトルは、「循環器医不足が深刻な状況です」。
それによると、高齢化が進むにつれて心疾患はさらに増加すると見込まれるにもかかわらず、循環器内科医を志望する若手医師は減少傾向にあるという。とくに、研修医の期間の終了後、「循環器内科を選択する20歳代医師の推移が鈍っており、その結果、循環器内科医の平均年齢は他の診療科に比較して著しく高齢化が進展して」いるのだという。
原因のひとつは「業務の厳しさ」だと同学会は分析する。循環器内科は深刻な心疾患に即座に対応できるよう「24時間365日オンコール制という“すぐに対応できる”特有の診療体制」を取っており、「当直や夜間の呼び出し後の連続勤務で36時間連続勤務が当たり前であった」という。働き方改革により連続勤務は28時間までと規定されたが、それでも重い責任を伴った過酷な労働であることには変わりない。
医師で芥川賞作家の朝比奈秋は、最近、若手外科医のすさまじい勤務実態を描いた小説『受け手のいない祈り』を出して評...