第64回麒麟(きりん)のまち鳥取市美術展(鳥取市・麒麟のまち鳥取市美術展運営委員会主催、新日本海新聞社特別後援)が1日、同市の鳥取県立博物館で始まった。地元作家の力作257点が展示され、来場者らを楽しませている。8日まで。
県東部と兵庫県北但西部の1市6町で構成する「麒麟のまち圏域」に在住または、通勤する作家を対象にした公募展。会場には日本画や洋画、彫刻など9部門の入選作品や無鑑査作家、審査員の作品を一堂に並べている。
このうち、書道部門では鳥取市出身の自由律俳人、尾崎放哉の句「傘にばりばり雨音さして逢ひに来た」を書き、最高賞の市展賞に輝いた岡村抱寿さんの作品「放哉の句」は、現代文を書くに当たって新しい手法を取り入れ、空間構成などが高く評価された。
初日は開館直後から、美術ファンが続々と来場。各部門の審査員らによるギャラリートークがあり、作品をじっくりと鑑賞しながら講評に熱心に聞き入っていた。
家族3人で来場した同市内の会社員、松下純さん(40)は「普段は芸術にふれあう機会は少ないが、いろんな作品が並んでいて生活の中にある芸術を感じることができた」と話した。
14日から市歴史博物館やまびこ館で受賞作品展が開かれる。