大山ゆかりの詩歌を残した歌人・与謝野晶子の歌碑が、大山寺参道沿いの「大山火の神岳温泉豪円湯院」(大山町大山)に移設された。より多くの人の目に留まるようにと、これまで設置していた大山博労座駐車場の脇から大山寺方向に約500メートル移動。歌碑の建立に寄付金を募るなどした団体の荒井玲子代表は「いい場所に移設できた。たくさんの人に見てもらえれば」と喜んでいる。
歌碑は、住民有志が「大山開山1300年」に合わせ、大山の新たな観光資源にしようと建立を計画。県内外から寄付を募り、2018年11月に大山博労座駐車場に設置された。歌碑は高さ約1メートル、幅約2・7メートル、奥行き約1・7メートルで、与謝野晶子が詠んだ「大山寺笹のいく葉の隠岐見えて伯耆の海の美しきかな」の歌が彫られている。
歌碑を設置したが、観光客らは車から降りるとそのまま参道へ向かうため気付かれにくい状況だった。荒井代表らは、建立に尽力したメンバーらが高齢で今後の維持管理に不安を抱えていたことや、もっと見てもらいやすい場所に移したいと考えて受け入れ先を探したところ、豪円湯院が手を挙げた。
5月31日に移設が完了し、豪円湯院の谷川智支配人は「ありがたいものを置かせていただいた。いずれは歌碑の説明看板を置くことも考えたい」と話した。