宮内庁がユーチューブ開設、広報戦略は天皇制に必須

  •  現代象徴天皇制の研究で知られる名古屋大大学院准教授の河西秀哉さん

 宮内庁が今年の4月1日、ユーチューブチャンネルを開設しました。近年、広報室の設置以降、インスタグラムを開設したり、ホームページをリニューアルしたりと、広報戦略に熱心です。

 これは、小室眞子さんが結婚する際、SNSでさまざまな情報が飛び交っていたことが大きな要因です。皇室に関する根も葉もない情報が拡散し、小室眞子さんや夫の小室圭さん、秋篠宮家に対して批判が浴びせられました。秋篠宮家は必要ではないという意見、皇室は税金の無駄であるといった意見もありました。こうした事態を招いたのは、宮内庁がこれまで情報を出していなかったことも大きな理由だったと思われます。その反省を踏まえ、宮内庁は皇室の活動をもっと知ってもらおうと広報戦略に乗り出したのです。

 ▽皇室の必要性をアピール

 広報戦略は象徴天皇制の根幹とも言えるものです。日本国憲法では、第1条で天皇の「象徴」の地位は「主権の存する日本国民の総意に基く」と書かれています。つまり、国民がどう考えるのかという総意が「象徴」としての天皇には必要なわけです。そのためにも、天皇や皇族は普段どのような活動をしているのか、国民に知ってもらう必要があります。そうで...

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