2015年に引退した世界的バレエダンサーのシルビー・ギエムが、指導に当たっているオーストラリア・バレエ団と来日した。都内で開いた記者会見で、次世代のダンサーに伝えたいこととして「テクニックだけでなく、ダンサー自身が心地よく楽しみながら踊ることが大事」と語った。
オーストラリア・バレエ団は30日~6月1日に東京文化会館で「ドン・キホーテ」を計4回上演する。20世紀を代表するダンサーで振付家のルドルフ・ヌレエフが同バレエ団のために振り付けたもので、映画化もされた。ヌレエフに直接指導を受けたギエムは同作を「ダンサーが演技をするための余白がある。彼は知的でユーモアにあふれる人で、作品にもそれが表れている」と評価する。
「私の指導でダンサーが進化していくのを目撃できるのは何物にも代え難い喜び」とギエム。2公演で主演を務める同団プリンシパルの近藤亜香は「一つの型にはめることなく自信につながるような指導をしてくれる。自分の成長を感じています」と話した。