本紙日本海柳壇の年間最優秀作品に贈られる「第47回茗人(みょうじん)賞」(新日本海新聞社主催)の選考が14日、鳥取市富安2丁目の新日本海新聞社本社で行われ、最高賞の茗人賞に若桜町糸白見、岡崎彰夫さん(87)の「反対を叫べる国に住む誇り」、児童・生徒の部大賞に米子市立住吉小4年、宮本彩輝(さき)さん(9)の「夏休みかどを曲がっておまつりだ」がそれぞれ決まった。
岡崎さんの作品は「世界中が戦争に巻き込まれる中で堂々と反対の声を上げられる日本はありがたい」「日本という国に誇りを抱いてもらいたい」「戦争を体験した実感が表れているのだろう」などと、世界の社会情勢を反映し、自国の在り方を考えさせられる作品として高い評価を受けた。宮本さんは、夏祭りに向かう情景をストレートに表現し、「もうすぐ祭り会場に着くというわくわく感が伝わってくる」などと共感を集めた。
準賞は、中原章子さん(米子市中島)の「騒ぐ子を叱らず親はスマホ操る」と、岡田百合子さん(鳥取市秋里)の「人間弱し怒濤(どとう)の川に立ち尽くす」。中原さんの作品は「これからの若い親に考えていただきたい句」、岡田さんの作品は「一筋縄では片付かない現実を『怒濤の川』と表現して深みのある作品になった」などと評された。
同柳壇選者の鈴木公弘さん、牧野芳光さん、伊塚美枝子さんが、昨年7月から今年6月の1年間に掲載された作品のうち、三才五客に選ばれた約400句と児童・生徒の部の掲載句の中から受賞作を選んだ。
表彰式は12月16日、鳥取市富安2丁目の新日本海新聞社で行う。
その他の入選者は次の皆さん。
【佳作】門村千代(若桜町)西村久夫(八頭町)山本ふみ子(米子市)深津れん(同)坂口美江(北栄町)
(28日付の文化面に詳報を掲載します)
自分の思いを素直に
岡崎彰夫さんの話 川柳を始めて25年。あまり入選せずやめていた時期もあったが、ここ2年で復活し、本当に良かった。びっくりだ。世界には政府に反対の声を上げることが難しい国もある中で、今の日本は良い国だ。これからも自分の思いを素直に出した川柳を作っていきたいです。
初めての賞うれしい
宮本彩輝さんの話 ちょっとびっくりしている。賞は初めてなのでうれしい。夏休み、楽しみにしていたお祭りに出かけ、角を曲がって神社が見えてきた時を思い出して作りました。川柳は、小学1年生の時の授業がきっかけです。川柳を考えるのは楽しいので、また作ってみたいです。