岩美町浦富の岩美中(浜野正樹校長)で7日、3年生の給食に若松葉ガニ(脱皮後間もないズワイガニの雄)が提供された。トレーからはみ出すほど大きなカニが1匹ずつ、ぜいたくに振る舞われ、生徒らは地元の味をかみしめた。
用意された若松葉ガニは甲羅幅12センチ前後で、重さは約400グラム。網代港底曳(そこびき)船主会(板倉高司会長)が協力し、3日に同港で水揚げされた約120匹を寄付した。進学などで町を離れても故郷の味を忘れず、再び帰ってきてほしいと思いを込め、卒業を目前に控えた3年生を対象に毎年、実施している。
板倉会長が教室を訪れ「カニの親爪を使って脚を裂くときれいにむける」などと手本を見せて上手な食べ方をアドバイスした。生徒たちはカニの大きさを比べたり、箸で押し出した身の大きさに驚いたりしながら、和やかに給食を楽しんだ。
橋本晶斗さん(14)は卒業後に級友と進路が分かれてしまうことを踏まえ「岩美町だからこその特別な給食をみんなとおいしく食べられたことは最高の思い出になった」と話した。