【茂木健一郎のニュース探求】「唯一無二」こだわり、心技体の充実頼もしく 新横綱・大の里誕生

  •  茂木健一郎さん(撮影・佐藤優樹)
  •  第75代横綱となり昇進伝達式で「唯一無二」の口上を述べる大の里。右は師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)=2025年5月28日午前、茨城県阿見町の二所ノ関部屋
  •  大相撲夏場所13日目、大関対決で琴桜(左)を寄り切って2場所連続優勝を決めた=5月23日、東京・両国国技館
  •  2場所連続優勝に地元・石川県津幡町も歓喜=5月23日、町役場
  •  平成以降の日本出身新横綱

 大相撲夏場所で大関・大の里が2場所連続優勝を見事果たし、第75代横綱に昇進した。

 師匠である稀勢の里(現二所ノ関親方)以来、8年ぶりとなる日本出身の横綱誕生に、大相撲ファンは喜んでいる。とりわけ、2024年の元日を襲った能登半島地震と、同年9月の豪雨災害からの復興途上にある地元・石川県の方々は、大いに勇気づけられたに違いない。

 5月28日の伝達式での口上は「横綱の地位を汚さぬよう稽古に精進し、唯一無二の横綱を目指します」。大関昇進時と同じ「唯一無二」を用いた理由を問われると「この言葉しかない。ぴったりだなと思って自分で入れた」とこだわりを見せた。

 横綱は、言うまでもなく力士の最高位であり、抜群の技量とともに品格も備えていなければならないとされる。また、土俵入りの際などに締める「純白の綱」は、神の依り代(よりしろ)を表す「しめ縄」が起源とされ、横綱が持つ力に対する人々の尊敬の念を象徴する。大相撲が、スポーツを超えた文化的意味を持つゆえんであろう。

 私は小学生の頃から大相撲ファンで、テレビ中継や、国技館での観戦で土俵に親しんできた。初土俵から所要13場所、新入幕から9場所と、最速で角界の...

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