浮世絵の最盛期を代表する葛飾北斎ら5人の代表作を展示する「五大浮世絵師展」が東京・上野の森美術館で開催されている。音声ガイドナビゲーターを務めた歌舞伎俳優尾上松也は「同時に展示されることで、それぞれの絵師の個性、魅力が浮き彫りになっている。ぜひ生で見て楽しんでほしい」とアピールした。
展示されるのは北斎のほか喜多川歌麿、東洲斎写楽、歌川広重、歌川国芳の約140点。松也がお気に入りに挙げたのは国芳の「大物之浦海底之図」。壇ノ浦の戦いで敗れた平知盛と家来たち、船の巨大ないかりと海の生き物が描かれている。知盛の最期は歌舞伎にもなっている。いかりを体に巻き付け自ら海に沈む演出が有名で、松也も演じたことがある。
「一緒に幽霊になった家来と軍議をしているよう。舞台では描かれていない部分を国芳が想像して描いているところが気に入っている。一枚の絵から想像して新しい歌舞伎を作るのも面白い」と、浮世絵から新作歌舞伎へ夢をふくらませた。
会期は5月27日から7月6日。松也が作品や見どころを解説する音声ガイドは、来場者の手持ちのスマートフォンとイヤホンで、無料で利用できる。