吉武英行 五感の旅

レストランサービス、テーブル上のさばき

2020年7月6日
レストランや居酒屋はお客がリラックスできるサービスの提供が重要

 先日、友人と大阪梅田近くのエスニック居酒屋に入った。お酒、料理が運ばれたまではよかったものの、料理の最後の一口を口に運ぶや否やスタッフが寄ってきて、取り上げるようにお皿を持っていくのにはびっくりした。見ると、一人の外国人スタッフが鋭い目つきで周囲のテーブルを見張り、お客が食べ終わると同時に、次々とお皿を持っていく。空いたお皿をお客が持っていくとでも思っているのか。

 この店は特別としても、ここ数年、ホテルのコーヒーショップを含むレストランや居酒屋で、食べ終わった食器を間髪入れずに下げる店が増えてきたように思う。酒好きの人というのは、常に飲み物が手元にないと落ち着かないもの。飲み物に関しては飲み終わると同時にグラスを下げに来て、お代わりの注文を聞かれることを喜ぶ。また、店としても売り上げを伸ばすために、一刻も早く次の注文を取る、そしてもう飲まないお客についてはテーブルを空にして、回転を促すのが狙いだから仕方ないとも思う。

 しかし、お酒とともにリラックスしたい夕食時のレストランや居酒屋で、食べ終わったとたんに食器を下げられるのは興ざめだ。特に注文した料理が遅く、下げることだけが早い店は最悪。おそらく最近のレストランサービスマニュアルで、空いた食器を手早く下げることを重視しているのだろう。

 確かに食べ終えた食器がいつまでも放置されているのはお客にとっても気持ち悪く、だらしないレストランという印象を与える。しかし、それも程度問題。下げるタイミングは食べ終わってナイフ、フォーク、あるいは箸を置き、ひと呼吸した後が妥当ではないか。すべてがスピードアップしている現在、夕食時だけでも心地よい時間を提供してほしいものだ。

 (ホテル・旅館プロデューサー)



サイト内検索