Q.40代の女性です。妊娠後から歯ぐきから血が出るようになり、最近歯科医院で歯周病と言われました。妊娠・出産と関係がありますか?
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A.女性の妊娠・出産と歯周病はとても関係が深いです。
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女性は、初潮を向かえる思春期、妊娠・出産、そして閉経を前後とする更年期にホルモンバランスが大きく変化します。女性ホルモンの分泌が増加すると、歯肉の血液量が増えるため、刺激に対して過敏になります。その結果、歯肉が赤くはれたり、痛みを伴って出血したりします。
思春期には、女性ホルモンであるプロゲステロンとエストロゲンの量が増加します。この影響で歯肉が敏感になり、歯肉の腫れ・発赤など歯肉炎の状態が生じやすくなります。思春期性歯肉炎と言われます。
妊娠によるホルモンバランスの変化により、妊娠中も歯肉炎が起こりやすい状態になります。妊娠中に歯肉の腫れ、出血、発赤などの症状が現れたり、歯肉炎から歯周病に移行することもあります。妊娠中に重度の歯周病に感染していると、早産や低体重児などの危険性が高くなることが分かっていますので、注意が必要です。また、閉経前後にも歯周病が起こりやすくなります。これはエストロゲンの減少が影響しており、骨が吸収されやす
くなったり歯肉が炎症を起こしやすくなったりします。
このように、女性はホルモンバランスの変化によって、歯肉炎や歯周病が起こりやすい状態になります。定期的な歯科医院での検診・クリーニングで、歯周病を予防しましょう。
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秋山歯科医院 副院長 秋山 剛久さん
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