Q.歯の表面が欠けていて冷たい物がしみるのですが、むし歯ではなく酸蝕歯(さんしょくし)と言われました。酸蝕歯とは何ですか? |
A.酸によって歯の表面が溶けたり欠けたりする病気です。
|
水晶ほどに固い人間の歯ですが、酸には弱く、長時間さらされると溶けてしまいます。コーラ飲料、スポーツドリンク、黒酢飲料、レモン、グレープフルーツなどの酸性度の強い食品の飲食によって徐々に歯が溶け、「冷たいものがしみる・痛い」などの症状を引き起こします。これが酸蝕歯です。以前は、産業現場による有害なガスにより歯が溶けたり欠けたりする「酸蝕症」が主でしたが、近年は酸性食品による「酸蝕歯」が多くなっています。ひどくなるとむし歯のように穴があき、神経が露出することもあります。胃酸も大きな要因の1つ。摂食障害による嘔吐(おうと)、胃酸の逆流のある人にも多いと言われています。
それでは、どのようにして酸蝕歯を防げばいいのでしょうか? 酸性食品の飲食後はお茶や水を飲んで中和したり、飲食の頻度をなるべく減らすなど酸にさらされる時間を短くすることも大切です。
「食後すぐの歯みがき」が酸蝕歯を悪化させるという説もありましたが、基本的に普通の食事の後の歯磨きは影響ないと言われています。ただ、酸性食品の飲食後に、極端に硬い歯ブラシで強く磨くことは避けた方がいいです。毎日の小さなひと工夫で酸蝕歯を防ぎましょう。
|
秋山歯科医院 矯正歯科医 秋山 佳子さん
|
|