吉武英行 五感の旅

クラシックホテルのある街での感想

2020年7月20日
クラシックホテルの趣たっぷりの館内

 栃木県日光、世界遺産の町。数十年ぶりの再訪である。「日光金谷ホテル」に予約した。夕食付きを薦められたが、食事は着いてから決めたかったので、宿泊のみで、しかも安価な部屋を選択した。その客室はかなり古く、改装を繰り返しているようで、ルームチャージ2万5千円は妥当なのかどうか怪しい。全体的に骨董(こっとう)というより、古道具という感じである。

 調度品やテレビ、空調など年季の入り方からして全面改装が必要かと思われる。館内はクラシックホテルの趣がたっぷりで、見学するお客が結構いた。随所に説明書きがあって楽しめる。ホテルもその期待に応えようと頑張っている。筆者もホテルマンを目指した時期、憧れの対象であったことが懐かしい。

 カジュアルな食事がしたかったので、午後7時過ぎに町に繰り出した。メインストリートのレストランは大部分がクローズしていた。そうは言っても世界遺産。外国からの観光客も多いのだから、町を歩けば気の利いた店があるのでは? そんな淡い気持ちで町に出たのだが、残念ながら大外れ。同じように店を探している外国人のカップルやグループがいた。

 せっかく日本に来たのだから、ホテルの中で食事しないで町の店で日本気分を味わいたいと思うのはもっともだ。日本人だって日光らしい粋な店に入りたい。しばし歩いたが、いい店がない。仕方なく全国チェーンの焼き鳥屋へ入ったところ、これが大失敗。清潔感ゼロ、あいそなし、おいしくなしの3拍子。ホテルに帰り一服し、午後10時半閉店のバーへ滑り込んだ。これはちょっと早くないか?

 世界に誇れる本物の遺産のある日光である。通過ではなく、泊まってゆっくりしたいお客は、国籍を問わず、これから増えるはず。そんなお客に応えてくれる商店街になってほしいと切に願う。

 (ホテル・旅館プロデューサー)



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